陥没乳首ってどうしてなってしまうのだろう、と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、陥没乳首になってしまう原因や理由を中心に、そのリスクや治療法についてわかりやすく解説します。
読み進めていただくことで、陥没乳首への理解が深まり、不安な気持ちを和らげる助けになるはずです。
陥没乳首になってしまう原因と理由
陥没乳首は、多くの場合、生まれつきや成長過程の体の特徴によって起こります。
乳頭を支える乳腺や乳管の発達バランスが悪いと、乳頭が内側に引き込まれてしまうためです。
特に先天的な陥没乳首の約半数は遺伝によるものだともいわれています。
一方で、大人になってから起こる陥没乳首は、乳腺炎などの炎症や乳房へのケガ・手術、急な体重減少などがきっかけになることもあります。
サイズの合わないきつい下着で乳首が長時間圧迫されることが一因となる場合もあります。
このように原因は様々ですが、多くの場合それ自体は病気ではなく、身体の構造的な要因によるものです。
乳頭が凹む原因は何?
乳首がへこんで見える直接的な理由は、乳首の内部でそれを引っ張る力が働いているためです。
具体的には、母乳の通り道である乳管が通常より短かったり、乳頭下の結合組織が強く乳首を内側に引っ張っていることが原因となっています。
先天性の陥没乳首では、乳腺と乳管の発達バランスが悪く、それによって乳首が内側にくぼんでしまいます。
乳首自体がなくなったわけではなく、内側に隠れてしまっている状態です。
陥没乳首は程度によって、指で引き出せるものから手術をしなければ出せないものまで段階分けされており、それだけ内側で乳頭を引っ張る力にも差があります。
つまり、乳首そのものに問題があるわけではなく、内部につながる組織の状態によって乳首が表に出られない状態になっているのです。
陥没乳頭(陥没乳首)を放置した時のリスク
陥没乳首はそれ自体は命に関わるものではありませんが、放置するといくつかのリスクがあります。
まず、重度の陥没乳首では赤ちゃんが乳首をうまく吸えず、母乳育児に支障が出る可能性があります。
また、乳首がくぼんだ状態だと奥に汚れが溜まりやすく、炎症や膿の蓄積を招いて乳腺炎や乳輪下膿瘍を繰り返す恐れがあります。
特に大人になってから片側の乳首が急に陥没した場合は、乳腺の悪性腫瘍が原因となっていることもあり、放置すると発見が遅れるリスクもあります。
指でも引き出せない重度の陥没乳首は、感染を防ぐためにも治療を検討した方がよいでしょう。
陥没乳首をそのままにしておくと日常生活や健康面でトラブルにつながる可能性があるため、気になる症状に当てはまる場合は注意が必要です。
陥没乳首の治療法は?勝手に治ることはあるの?
陥没乳首には様々な治療法があり、自然に治るケースもあります。
思春期前後に生じた軽い陥没乳首であれば、成長とともに乳頭が突出して改善することがあります。
妊娠・出産を機に乳首が自然と出てくることもあり、一生陥没したままとは限りません。
自然に治らない場合は、軽度であれば専用の吸引器具を使った保存的治療が有効なことがあります。
吸引による矯正は、治療に数ヶ月〜数年かかることもありますが、根気強く続ければ乳頭が出やすくなる場合もあります。
それでも改善しない中等度以上の場合は、外科手術で原因の組織を取り除き、乳首を正常な形に治すことができます。
軽い陥没乳首は自然経過や非手術的な方法で治ることもありますし、難しい場合でも手術で改善が期待できます。
陥没乳首の手術の種類と料金・保険適用について
陥没乳首の手術では、乳管を切るか温存するかで術式が異なり、費用も保険適用の有無で大きく変わります。
授乳を希望する場合は乳管を傷つけない術式を選択します。
再発のリスクはありますが、母乳育児への影響を避けることができます。
授乳の必要がない場合は乳管を切る方法で乳首を突出させます。
自由診療では片側約15万円、両側で25〜30万円程度が相場です。
ただし、重度など条件を満たせば手術が保険適用となり、その場合自己負担は数万円程度で済みます。
どの手術法を選ぶかは授乳の希望や陥没の程度によって左右され、費用も保険適用かどうかで大きく変わります。
最適な方法は専門医と相談して決めるのが良いでしょう。
陥没乳首の術後やダウンタイム
陥没乳首の手術後のダウンタイムは比較的短く、適切なケアで早期に日常生活へ復帰できます。
手術は局所麻酔の日帰り手術が一般的で、術後10日ほどで抜糸します。
術後の腫れは徐々に引き、1週間ほどで治まります。痛みや内出血も数日で引く一時的なものです。
「すぐにお風呂に入れるの?」という部分も気になりますよね。シャワーは翌日から可能です。湯舟に浸かることは約2週間控え、乳頭を圧迫しないよう過ごします。
術後しばらくは乳首の感覚が鈍くなることがありますが、数ヶ月かけて徐々に回復します。
手術後2週間ほどで傷口が落ち着き、その後は傷跡も次第に目立たなくなります。日常生活への支障もほとんどありません。
陥没乳首で悩んでいる人はまずは専門家に相談しよう
陥没乳首は決して珍しいものではなく、全体の約10〜20%の人に見られる比較的よくある状態です。
そのため、必要以上に恥ずかしがったり不安を感じたりする必要はありません。
適切な知識と対策があれば、陥没乳首は改善することが可能です。
それでも悩んでいる場合は、一人で抱え込まずに美容外科や形成外科などの専門医に相談してみましょう。
専門医に相談すれば、症状の程度を診断して適切な治療法を提案してもらえます。
さらに、保険適用の可否など費用面の相談にも乗ってもらえるでしょう。
早めに専門家に相談することで不安を解消し、自分に合った解決策に踏み出せるはずです。
コンプレックスに感じがちな陥没乳首も、プロの力を借りればきっと前向きに向き合っていけるでしょう。