老後に豊胸手術はどのような影響があるかを手術別に解説

老後に豊胸手術はどのような影響があるかを手術別に解説

人間のバストは年齢とともに乳腺の萎縮や皮膚・靭帯の伸びによって形が変化します。

更年期以降に乳腺組織が縮小し脂肪に置き換わることでハリが失われ、重力の影響でバストが下垂します。また全身の脂肪量も加齢で減少するため、バスト自体のボリュームも小さくなる傾向があります。

豊胸手術を行った場合でも、このような加齢による変化は基本的に避けられません。ただし、選択した豊胸術式によって老後のバストの状態や変化の仕方に違いが出ることが知られています。

この記事では、代表的な術式(シリコンバッグ豊胸・脂肪注入豊胸・ハイブリッド豊胸)それぞれについて、加齢による影響の違いをまとめていきます。

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3種類の豊胸手術の老後への影響とおすすめ

3種類の豊胸手術に関して、様々な視点でおすすめポイントや老後への影響についてまとめていきます。

特に老後への影響にはどのようなことがあるのかをイメージできると、選択する手術の方法も変わってくるかもしれません。

シリコンバック豊胸と老後への影響

シリコンバッグ豊胸(人工乳房による豊胸)では、体内にシリコン製のインプラント(バッグ)を挿入します。 加齢によって皮下脂肪や乳腺が萎縮すると、インプラントの輪郭が目立ちやすくなる可能性があります。特に皮膚の薄い人や、乳腺下(乳腺の下)にバッグを入れているケースでは、老後にバッグの形や縁が浮き出て不自然に見えるリスクがあります。

一方で、適切な位置に適切なサイズのバッグを入れていれば、バストのボリューム自体は半永久的に維持されるため、年を重ねてもある程度豊かな胸を保ちやすいという利点があります。

実際、シリコンバッグは異常がなければメンテナンスの必要がなく劣化も起きにくいため、何十年先でも挿入時のボリュームや形状を保ち続けるケースが多いです。

なお、当初から大胸筋下(筋肉下)に挿入する方法をとれば、老後に皮膚や乳腺が薄くなっても筋肉がクッションとなりバッグの輪郭が表に出にくく、加齢による見た目のリスクを低減できるとされています。

加齢で周囲組織が変化してバッグが合わなく感じる場合は、小さいサイズに入れ替える選択肢もあります。

脂肪注入豊胸(自己脂肪移植)と老後への影響

脂肪注入豊胸(自己脂肪移植)では、自分の腹部や太ももなどから採取した脂肪を胸に注入します。この方法では人工物を体内に残さないため、挿入物が目立つ心配はありません。

老後に「バッグが透けて見える」「硬く不自然に触れる」といった心配はなく、年齢を重ねたときの質感も自然な自分の体の一部として経過します。

もっとも、脂肪注入をしていても加齢によるバストの変化(ボリューム減少や下垂)は避けられず起こります。

注入後に生着した脂肪細胞は半永久的に残りますが、人間の脂肪組織自体が加齢で減少するため、元からある脂肪と同様に注入脂肪も老化とともに減っていく可能性があります。

その結果、バストサイズが徐々にダウンしたり、ハリが弱まることがあります。また、皮膚や靭帯のゆるみにより、豊胸していない人と同様にバストは下垂します。

脂肪注入豊胸では老後も自然な見た目を保ちつつ、普通の加齢変化に沿ってバストが変わると考えてよいでしょう。下垂が気になる場合は、再度脂肪注入でハリを調整したり、補整ブラジャーで形を支える対策も可能です。

ハイブリッド豊胸と老後への影響

ハイブリッド豊胸は、シリコンインプラントと脂肪注入を組み合わせる手法です。

適度なサイズのインプラントでボリュームアップしつつ、その周囲に自身の脂肪を注入することで触感や見た目をよりナチュラルに仕上げます。

老後の変化に関して言えば、ハイブリッド豊胸は両者の特徴を合わせ持つため、加齢による影響も双方の要素が現れます。

つまり、インプラント部分は基本的に注入時のボリュームを保ちますが、周囲の注入脂肪は加齢で減少する可能性があるため、将来的に一部ボリュームダウンすることが考えられます。

また脂肪層が薄くなれば、たとえ小さめのバッグでも輪郭が浮き出やすくなる可能性があります。もっともハイブリッド豊胸では通常シリコンバッグのサイズを小さめに抑えるため、皮膚や組織への負担も軽減され、老後の極端な下垂や変形は起きにくい傾向があります。

また、加齢で万一インプラントを除去することになっても、注入脂肪が一定量残っていればバストの凹みをある程度補えるという利点もあります(※純粋なインプラント豊胸では、老後にバッグを抜去すると胸がしぼんで凹みが生じる恐れがあります。)

このようにハイブリッド豊胸は老後においても、インプラントの体積維持力と自己脂肪の自然な変化のバランスで比較的安定した形を保ちやすいと言えるでしょう。

3つの手術の中でシリコンバック豊胸がおすすめ

老後を見据えた豊胸術として、3つの手術の中で1つを選ぶとするとシリコンバッグ豊胸が非常におすすめです。

なぜなら、一度挿入すれば長期間にわたってバストのボリュームや形を安定して保てるため、加齢によるサイズダウンやたるみの心配が少ないからです。

豊胸は決して安い金額ではないので、いろいろなクリニックを検討したり手術方法も検討しますが、シリコンバック豊胸にまず注目することがおすすめです。

老後における術式別のメリットと懸念点(自然さ・ボリューム維持・健康リスク)

豊胸術式ごとに、若いときだけでなく老後を迎えたときのメリットと懸念すべき点があります。
ここでは特に「見た目の自然さ」「ボリューム維持」「健康リスク」という観点から、シリコンバッグ・脂肪注入・ハイブリッド各術式の利点と注意点を比較します。

シリコンバッグ豊胸の老後のメリットと懸念点

メリット

シリコンバッグ最大の利点は、一度で確実にバストボリュームを増やせ、そのサイズを長期間維持できることです。
老後になっても注入物が吸収されて小さくなる心配がなく、若い頃のふっくら感を保ちやすいでしょう​。
適切なサイズ・形状のバッグを選べば仕上がりも美しく、最近の高性能インプラントでは見た目や触り心地もかなり自然になっています。
加齢による皮膚のたるみ等に対しても、インプラントが内部からハリを与えるためある程度の若々しい形をキープできる点もメリットです。

また、シリコンバッグ豊胸そのものが健康を害する心配は基本的にありません。
シリコンは生体適合性の高い素材であり、適切に管理されたインプラントであれば人体に悪影響を及ぼすリスクは極めて低いとされています。
万が一バストサイズを調整したくなった場合も、インプラントを交換・抜去することで対応が可能で、トラブル時の対処もしやすい点は安心材料です。

懸念点

老後におけるシリコンバッグ豊胸の懸念としては、「不自然さ」と「メンテナンス要件」が挙げられます。

まず見た目・触感の不自然さですが、加齢で皮下組織が痩せるとバッグの輪郭が浮き出たり硬さが際立ったりしやすくなります。
若い頃は問題なくても、80代など高齢になると皮膚が薄くなるため、バッグの存在感が増す恐れがあります。

また、シリコンバッグは触ると天然の脂肪とは違う弾力を感じることもあり、特に痩せ型の方では年齢を問わずエッジが触れやすい傾向があります。
ただし現代のインプラントは改良され柔らかく自然になってきており、「硬く不自然」という昔ながらの欠点は大幅に改善されています。

次にメンテナンス面の懸念としては、シリコンバッグは永久的に効果が持続する反面、経年劣化やトラブル発生時には交換や除去が必要になる可能性があります。
インプラントは一生物ではなく、時間とともに素材が劣化したり、※被膜拘縮(後述)やバッグの破損といった問題が起こり得ます。

※被膜拘縮((ひまくこうしゅく):豊胸手術などで、胸に入れたシリコンが体にしめつけられ、かたくなって痛くなることを言います。

特に手術後長期間が経過してから破損や感染が生じるリスクはやや高まる傾向があり、老後に初めてトラブルが発生するケースもゼロではありません。
そのため「将来また手術が必要になるかも」という不安を感じる人もいます。しかし、現在のインプラント素材は非常に頑丈で破損しにくく改良されており​、適切な管理下では10年以上問題なく使用できるケースが大半です。
定期検診を受けて状態を確認しつつ、必要に応じて対処すればリスクは最小限に抑えられます。

脂肪注入豊胸の老後のメリットと懸念点

メリット

脂肪注入豊胸の最大のメリットは、自分の組織でバストアップするため老後までずっと自然なバストでいられることです。
時間が経っても体の一部として馴染んでいる脂肪ですから、触感や見た目が人工物で変化する心配はありません。
老年期に皮膚が薄くなっても異物感が出ることはなく、「豊胸した胸」だと周囲に気づかれにくい状態が続くでしょう。

また、体にメスを入れる範囲が小さく(※注入のための針や小切開のみ)、異物反応のリスクもないため健康面での安心感があります。
シリコンバッグのように経年的な破損リスクや交換手術の必要も基本的になく、一度ボリュームが定着してしまえばメンテナンス不要で過ごせる点もメリットです。

さらに、脂肪注入の場合は痩身効果(採取部位の部分痩せ)も得られるため、特に中年期以降の女性にとっては一石二鳥の施術と感じられることもあります。

老後にインプラントが入っていることで医療検査に支障が出るのでは、といった心配も脂肪注入なら不要です。

懸念点

脂肪注入豊胸における老後の懸念は、主にボリューム維持としこり形成の2点です。

まずボリューム維持について、前述の通り注入脂肪は加齢とともに減少する可能性があり、また体重変動の影響も受けます。
術後大幅なダイエットをすればバストサイズが萎むこともありますし、逆に太れば注入脂肪も肥大化してサイズが変わることもあります。
したがって、脂肪注入豊胸では老後に向けてバストサイズが一定ではない可能性を考慮する必要があります。
特に、せっかく若い頃に希望サイズまでバストアップしても、10年20年後にボリュームダウンしてしまうケースもあり得る点はデメリットと言えるでしょう。
一方シリコンバッグは体重や老化によらずバッグ容量が不変なのでサイズキープに優れます。
脂肪注入の場合、将来サイズが物足りなく感じれば再度の脂肪注入で調整することも可能ですが、高齢になってから十分な脂肪を採取できなかったり、体力的に再手術が難しくなるリスクもあります。

次にしこり(脂肪壊死や石灰化)の問題です。脂肪注入では、一度に大量の脂肪を詰め込むと一部の脂肪がうまく血流を得られず壊死して石灰化したり、硬いしこりとなる場合があります。
必ず起こるものではなく、経験豊富な医師で適切な量と手技で行えば防げるものですが、それでも一定割合で小さなしこりの発生は避けられません。
こうしたしこりは必ずしも健康上深刻ではないものの、大きく硬い場合は老後に乳がん検診の際に紛らわしい影を作ったり、圧迫で痛みの原因になる可能性があります。

ハイブリッド豊胸の老後のメリットと懸念点

メリット

ハイブリッド豊胸はシリコンバッグと脂肪注入のいいとこ取りとも言える方法で、その利点も両者を組み合わせたものです。

まず見た目・触感の自然さという点では、インプラントの上に自前の脂肪層を被せることで、胸に触れても縁が触りにくく柔らかな質感となります。
バスト上部の輪郭も滑らかで、まるで生まれつきの豊かなバストのように仕上がるため、老後に皮膚が薄くなっても比較的自然な触り心地を維持できるでしょう。

またボリュームアップ効果については、脂肪注入単独では難しい大幅なサイズアップもインプラント併用で叶えられるため、希望のバストサイズを確保できます。

このようにハイブリッド豊胸は「確実なサイズ維持(インプラント由来)と自然な質感(脂肪由来)」を両立できる点が最大のメリットです。
老後に関しても、適度なサイズのインプラントなら皮膚への負担が小さいため将来的な下垂が起こりにくく、一方で脂肪層があるおかげでインプラントの存在が露呈しにくいという安定感があります。
健康面でも、脂肪注入部分は自組織なので安全性が高く、インプラントも近年安全性の高いものを用いるため基本的なリスクは低く抑えられます。

懸念点

ハイブリッド豊胸のデメリット・懸念は、コストとメンテナンス負担が増える点、それに両者のリスクを抱える点です。
手術としてはインプラント手術と脂肪採取・注入手術を同時に行うため、治療費用は単独法より高額になります。
将来的にも、インプラント部分についてはシリコンバッグ同様に経年で交換や抜去の可能性があるため、その際は脂肪注入も組み合わせた再手術を検討するなど追加の費用や手間がかかるかもしれません。

まとめ

3つの手術の方法にはそれぞれにメリット・デメリットが存在します。

一概にどの方法が良いのかはそれぞれの人が何を優先するのかによって変わってきますが、もし迷われている方は、シリコンバッグ豊胸をまずは詳しく調べて見ることがおすすめです。

安定性の面では、他の手術方法よりも優れている点が多いと感じると思います。

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この記事の監修医師

医療法人社団東美会 理事長 兼 東京美容外科 統括院長
麻生 泰 医師

・日本形成外科学会
・日本美容外科学会
・日本マイクロサージャリー学会

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医療法人社団東美会 理事長 兼 東京美容外科 統括院長 麻生 泰 医師

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